自然農法は「土づくり」からはじまります。農薬や化学肥料を一切使わず、清らかな土の力だけで農作物を育てます。有機肥料さえも使いません。その土地に合う農作物になるよう、タネも自家採種を繰り返しています。
農地も自然の姿であるべきと考え、農業用マルチシート(雑草を抑える黒いビニールシート)さえも使わない徹底ぶりです。ここで栽培される野菜は生命力にあふれ、食材にこだわるレストランのシェフから高い評価を得ています。
自然農法は、決して新しい技術や考え方ではなく、かつては、誰もが当たり前にやっていた農業の姿だと思います。落ち葉などの自然堆肥とミミズや微生物などの働きによって、自らが然るべき土の姿になります。
しかし、自然と農作業との因果関係を解明するのは大変難しいことです。いつ頃に何をやって、水をどれくらい与えて、などという方程式がないため、毎日のように野菜と対話するしかありません。
私たちのココロとカラダは、食べるものでつくられています。改良された種や、肥料に含まれる成分は、野菜と一緒に私たちのカラダのなかに取り込まれます。
本来、健康で清らかな土壌があれば、農作物は自力で成長します。そして、私たちは、凝縮された天然の栄養を農作物から得ることができます。
世の中に流通している化学的・人工的な食品を毎日食べていると、当たり前のように病気になります。心も病んでしまいます。野菜も同じにように、化学的・人工的な栽培に頼ってしまうと、決して健康的な食べ物とは言えないものになります。
自然農法の野菜は、それぞれの品種の個性がハッキリと現れ、風味や歯ごたえがしっかりしています。家庭で美味しく食べて頂くのはもちろんですが、素材を活かした料理を提供しているレストランに最適です。
農作物に限らず、良質の食材には、凝った味付けが必要ありません。良質の油と天然塩、さらに柑橘系の風味さえあれば、極上の料理が出来上がります。自然農法の野菜は、和食やフレンチを中心に、美味しさを求める食材として選ばれています。